※独立行政法人日本学術振興会(=文部科学省外郭団体)の平成24年度科学研究費助成事業(学術研究助成基金助成金)。弓削田綾乃「原発事故を受けた子どもの日常回帰を支援する“表現あそびプログラム”の開発」に対する助成。平成24年度~平成25年度を予定。
※今までの研究内容、および報告書等はこちらでご覧になれます。
原発事故を受けた子どもの日常回帰を支援する“表現あそび”プログラムの開発
2011年3月の東京電力第一原子力発電所の事故後、周辺地域では、子どもたちの屋外活動に不安を抱く日々が続く。そうした状況下、屋内でも十分な運動量を確保できる活動の一つに、ダンスがある。ダンスは、全身的・律動的運動で、コミュニケーションの一助となり、表現活動として心のありようを表す。しかし、大規模災害後の子どもたちへのダンスの効果は、十分に検証されているとはいえない。また、郷土色の強い活動が、活力を生むという報告もある。さらに、福島県郡山市でのダンス活動に数回参加して、保護者の心身に強いストレスがかかっていることを痛感し、これを解消しなければ、子どもたちの幸福にはつながらないだろうと感じた。特に、郡山市の保育園児・幼稚園児は、屋外活動の制限が厳しい。
これらを踏まえて本研究は、原発事故の影響が強い地域の幼児と保護者たちを対象にして、行政の取り組みを含めた現状を明らかにし、律動性・コミュニケーション性・伝承性等の側面から、心身の解放と自立を促す“表現あそび”を実践し、方法と効果を検証する。そして最終的には、様々な現場で活用できるプログラムの開発を目指す。
福島県郡山市の未就学児親子
※福島県郡山市教育委員会、および「にこにこ子ども館」の協力による
弓削田綾乃(早稲田大学助教・JAKCアドバイザー)
竹内エリカ(一般財団法人日本キッズコーチング協会(=JAKC)理事長・淑徳短期大学非常勤講師)
池田三鈴(立正短期大学講師・JAKC理事・キッズヨガ認定講師)
二瓶野枝(淑徳短期大学非常勤講師・JAKCアドバイザー・コンテンポラリーダンサー)
河田真理(大学講師・JAKCアドバイザー・ダンスアンジェ主宰)
第1回「心と体をほぐす動き①~親子体操とリズムダンス」(2012.08.30)
期日:8月30日(木)
場所:ニコニコこども館 多目的ホール
時間:10:00-11:30 未就園児親子20組40名
集合:8月30日(木)AM7:36東京発、8:58郡山着 東北新幹線、1号車自由席に乗車
解散:8月30日(木)PM1:00 現地解散
講師:竹内エリカ(日本キッズコーチング協会理事長)
第2回「心と体をほぐす動き②~キッズヨガに挑戦」(2012.09.12)
期日:9月12日(水)
場所:ニコニコこども館 多目的ホール
時間:10:00-11:30 未就園児親子20組40名
集合:9月12日(木)AM7:36東京発、8:58郡山着 東北新幹線、1号車自由席に乗車
解散:9月12日(木)PM1:00 現地解散
講師:
池田三鈴(立正短期大学講師・JAKC理事・キッズヨガ認定講師)
河田真理(お茶の水女子大学博士後期課程・JAKCアドバイザー・ダンスアンジェ主宰)
第3回「表現を楽しもう①~日本のお囃子に合わせて踊ろう」(2012.09.13)
期日:9月13日(木)
場所:ニコニコこども館 多目的ホール
時間:10:00-11:30 未就園児親子20組40名
集合:9月13日(木)AM7:36東京発、8:58郡山着 東北新幹線、1号車自由席に乗車
解散:9月13日(木)PM1:00 現地解散
講師:高橋京子(フェリス女学院大学準教授)
第4回「表現を楽しもう②~影や布と一緒に遊ぼう」(2012.09.21)
期日:9月21日(金)
場所:ニコニコこども館 多目的ホール
時間:10:00-11:30 未就園児親子20組40名
集合:9月21日(木)AM7:36東京発、8:58郡山着 東北新幹線、1号車自由席に乗車
解散:9月21日(木)PM1:00 現地解散
講師:弓削田綾乃(早稲田大学助教・JAKCアドバイザー)
2012年度
5~7月
・福島県郡山市を訪問:遊戯施設・子育て支援施設見学、ヒアリング、資料集、研究の依頼
・未就学児親子の“表現あそび”についての先行研究の検討
・“表現あそび”の内容を考案
・“表現あそび”の試行(キッズダンス教室?)⇒分析・フィードバック
・ワークショップの打ち合わせ
7~8月 ・郡山“表現あそび”ワークショップ実施(幼児親子約100名、2回)
8~10月 ・分析、支援者の振り返り、フィードバック等
12月 ・舞踊学会第64回大会で発表
1~3月 ・DVD・資料作成開始
2013年度
4~7月 ・DVD/資料作成
8月 ・当該地域の協力者へDVDと資料を献呈
12月 ・舞踊学会第65回大会で発表・学会誌への投稿